本日行われた公式戦の結果は以下の通りです。
vs.大阪経済大学(14:15キックオフ) 場所:芦屋大学
2-2(前半:0-2、後半:2-0)
【得点】仙頭、西尾
3連勝で迎えた後期第7節。5連勝中と勢いに乗る首位の大阪経済大学との上位決戦は、前半に2点差をつけられる非常に苦しい展開でしたが、後半に怒涛の攻撃を見せた攻撃陣が2点をもぎ取り、価値ある勝点1を獲得することができました。
試合前のミーティングでは、前節の天理大学戦で光った守備の連動を挙げ、前線から積極的なプレスをかけて前向きに奪う回数を増やすことを求めました。また、競った試合になるであろう残りの5試合において、一人ひとりが迷いなくプレーするために気持ちの面で勝つ覚悟を持つこと、腹をくくって目の前の相手を倒す準備をすることなどを伝えました。そして、後期リーグの大一番を楽しんでプレーし、平常心ではなかなか戦えないギリギリのゲームほどボールを受けてチャレンジすること、そのチャレンジが必ず次の試合にもつながる・・・といったメンタル面へのアプローチをしました。
前期に敗戦している相手への闘志を燃やしながらキックオフを迎えましたが、風下の影響があってか最終ラインが少し深めになってしまい出鼻を挫かれます。前半3分にスローインからサイドを簡単に侵入され、クロスと中のタイミングをしっかり合わせられて失点。そして、15分にも自陣でのビルドアップをひっかけてしまい戻す時間なく追加点を許してしまいます。立ち上がりに失点したことで受け身になり、相手が狙っている迫力ある素早いカウンターで何度もゴールに迫られました。大きな展開からしかけるサイド攻撃とセットプレーで押し込まれる我慢の時間が続きますが、GKの佐藤(由)のファインセーブやこれ以上失点を許さない覚悟を見せた守備陣が粘りを見せ、ゴールラインを割らせませんでした。攻撃では中盤ゾーンでボールを持てる時間が増えますが、中央を固めている相手に対して強引に突破を試みたり、タイミングよく動き出している味方を使わずにバランスを崩したり、点を取らなければいけない焦りがプレーに表れていたように感じました。
0-2でハーフタイムを迎えると、焦りや苛立ちを隠せない様子だったので冷静さを取り戻すための働きかけと相手の狙いを共有しました。強引な攻撃がまんまと相手の術中にはまっていること、サイド攻撃が効果的で時間ができること、相手のラインを下げるために足元だけでなく背後へのアクションを増やすことなどを伝え、守備の修正はしませんでした。攻撃のしかけの共有と風上を想定し、後半は押し込めると判断して選手を送り出しました。
後半は一気に相手ゴールへ押しかけたいところでしたが、立ち上がりはボールを持たれ、相手の徹底したロングボールとサイドチェンジで重心がさがりました。しかし、要所要所で宮谷が攻撃の芽を摘み、前線の圧力と改善された最終ラインの押し上げでペースを取り戻します。ボールを失っても早い切り替えで局面打開させず、近くで奪い返すシーンが増えました。徐々に攻勢になり、ボールをサイドに散らしながらチャンスを見てはゴール前に進入し始めました。そして、相手ゴールをこじ開けたのは仙頭でした。後半24分、左サイドで時間をつくるとタイミングよく中にボールを持ち出し、徳永との絶妙な連携で相手のブロックを無力にしました。GKとの1対1を冷静に決め、1点差とします。得点によってさらに運動量を増やし、少し息切れしかかっている相手に畳み掛けるように分厚い攻撃を繰り返しました。なんとか同点に追いつきたいところでしたが、何度も訪れた決定機を決めきることができずに時間だけが経過していきます。必死の攻撃が実を結んだのは後半41分でした。ゴールキックのこぼれ球を徳永が拾い、仙頭とのパス交換の間にゴール前で準備していた西尾がマークを押しのけて渾身のヘディングでゴールへねじ込みました。後期リーグでなかなか結果を出せなかった西尾が値千金の同点弾を決め、全員が喜びを爆発させました。意気消沈した相手を尻目に逆転を狙って果敢に攻めましたが、残り時間は少なく2-2の引き分けで試合が終了しました。
立ち上がり15分で0-2の劣勢に立たされた時、誰もが「厳しい」と思ったに違いありません。しかし、2失点後に円陣を組んで自分たちで修正しようとする姿、3失点目を許さない覚悟を持ったプレー、それぞれが勝利するために動いた1歩1歩が勝点を生みました。勝利することはできませんでしたが、0-2から同点に追いつき首位と勝点を分け合ったこの試合は、残りの4試合に大きく影響するはずです。試合の入り方と冷静さを欠いた単調な攻撃が課題として残りましたが、意地・執念・勝利への渇望が心と試合を動かしてくれました。そして、引退した4年生の川﨑が応援に駆けつけたという一人の献身も忘れてはいけません。
2部Aリーグはパワフルなチームが多く、フィジカル面で苦戦を強いられる展開があります。けれど、たとえ体格やスピードに差があったとしても、運動量や動き出しのタイミング、確かな技術で試合を支配していく力がこのチームにはあると思います。プレーには相手を見ての判断があり、自分の意思が味方とシンクロすることで理想的な攻撃や得点が表現されます。型は重要と知りながら、やはり自由の中にアイデアと閃きが生まれるものだと感じています。規律と自由のバランスをとりながら、駆け引きを楽しんで相手を騙しまくってほしいと思います。やりたいことだけするのではなく、すべては勝利のためにプレーできているかどうかです。残りの4試合もアグレッシブにチャレンジしたいと思います。
大阪経済大学の皆さま、応援に駆けつけてくださった関係者の皆さま、本日はありがとうございました。