6/24に行われた公式戦の結果は以下の通りです。

vs.びわこ成蹊スポーツ大学(13:30キックオフ)  会場:ヤンマーフィールド長居(長居第2陸上競技場)

3‐4(前半:1‐2、後半:1‐0、延長前半:1-0、延長後半:0-2)

【得点】小菅、仙頭2

2部リーグ以下のチームが全国大会へ挑戦できる唯一の大会、関西選手権。昨年同様3回戦を突破し、1部の大学と真剣勝負ができる4回戦へ駒を進めることができました。
相手はびわこ成蹊スポーツ大学。1部リーグ前期を3位で折り返している強豪大学です。いつもとは違うスタジアムでの試合にこちらも興奮を抑えられませんでした。
天然芝から匂い立つ草の香りはとても爽やかで、選手の顔つきも連戦の疲労を感じさせず適度な緊張感があり、勝利を予感する雰囲気がスタジアムに漂っていました。
試合は全身全霊をかけ団結し死力を尽くして立ち向かい延長戦までもつれ込みました。死闘を繰り広げましたが結果は3-4で敗れ、1部の大学を倒し全国大会出場という目標は達成できませんでした。

試合前のミーティングでは今年のスローガンである『躍進』をテーマに、一人一人の役割や特徴を整理し長所を引き出し、短所をカバーし合って戦うこと、そしてこれ以上ないチャンスを自分たちの力を最大限に発揮して結果で証明しようと強く求められました。予想していた通りの立ち上がりとなり相手はアグレッシブで縦に速い攻撃を積極的に仕掛けてきます。すると開始わずか5分でした。セットプレーから先制点を許してしまいます。
開始早々から1点を追う展開となりましたが崩れることはなく、守備の陣形を縦横コンパクトに保ちセカンドボールを拾ってからいい距離感にいる味方をシンプルに使い相手陣内に進入する回数を徐々に増やしていきました。すると前半15分に左サイドでボールを受けた仙頭が相手陣内深くまでドリブルで進入しクロス。相手のクリアのこぼれ球を小菅がシュート。魂のこもったシュートがゴールに突き刺さり同点。試合を振り出しに戻します。

こちらの流れになるだろうと思い戦況を見つめますが、一番注意していたDFラインの背後へのパスの対応が一瞬遅れ勝ち越しゴールを奪われます。1部相手に追いついた後すぐに突き放され浮き足立つかと思われましたが、その後も慌てることなく相手の中盤とDFラインの間にできるスペースを効果的に使い、またサイドへと広い展開も織り交ぜながら試合の主導権を握ります。何度かチャンスはつくりますが、相手の身体を張った力強い守備にチャンスを潰され、追いつくことができず前半を終了します。

ハーフタイムの選手たちの様子はとても冷静で前半のプレーを分析し、近いポジション同士での修正するやり取りが多くみられました。
監督からは「自陣でのファールを減らすこと、中盤の横のコンパクトさをさらに意識しカウンターに注意すること、セットプレーに変化を加えること」など攻守両面において明確な指示が出されました。内容ではなく結果なのだということも試合前同様に選手たちに強く求められました。ロッカー内は選手たちの自信と後半に巻き返そうという闘志みなぎるエネルギーで満ち溢れていました。

いよいよ後半開始。早速試合は動きます。ペナルティエリア内でファールを受けPKを獲得。仙頭がきっちりと決め2-2の同点。再び追いつきます。
開始早々の同点弾により選手たちにはさらなる落ち着きと余裕が生まれ、アグレッシブな攻撃を繰り返し、互角以上の戦いで追加点を奪いにかかります。白熱した試合展開にB、Cチームの応援もさらに熱を帯びます。

その後も一進一退の攻防は続きます。相手のセットプレーの脅威は変わらず危ないシーンもありましたが、選手たちがピッチの中で勝負どころを察知しそれを共有する作業がしっかりとでき、柔軟に対応していました。
結局90分では決着がつかず延長戦に突入します。連戦の疲労が少し気になりましたが、それを吹き飛ばす選手たちの闘志、執念、情熱が伝わってきました。観客席からの熱い声援がピッチに立つ選手たちのエネルギーになり、まさに関西福祉大学サッカー部の団結を感じました。
勢いそのままに延長前半3分、西尾のクロスを仙頭が頭で合わせ逆転に成功!!1部を撃破し全国大会に出るという目標に近づきました。

運命の延長後半。交代枠を使いながら試合を優位に進め、ピッチ外から檄を飛ばし選手を鼓舞し続けました。残り5分。………CKから失点。キーパーチャージを訴え猛抗議しますが、判定は覆らずスコアは3-3。まだ同点。選手たちも冷静に対処し疲労からくるミスをお互いがカバーしながら粘り強く戦っていました。ラスト1分。PKの可能性を想定しながら戦況を見つめていたところアーリークロスの処理を誤り相手に押し込まれまさかの失点……。
試合終了。このような残酷な結末を誰も予想することができず、全国大会への夢は潰え、関西選手権の旅は終わりをつげました。誰もが歓喜の瞬間が訪れると信じたことでしょう。しかし無情にも勝利の女神はこちらに微笑んでくれませんでした。
一瞬何が起きたのか分からずただ茫然と立ちすくむ自分がいました。泣き崩れる選手たち。最高の結果を自分たちで証明できるあと一歩のところまで来たのになぜ…?と天を仰ぎました。全身全霊で団結して戦い、最高のパフォーマンスで魂のこもった心揺さぶられる熱い試合でした。彼らを全国大会へと導けなかった悔しさが一気に込み上げてきました。選手たちにかける言葉がみつからずただただ自分は無力でした。

昨年立命館大学に負けた時から、掴んだ手ごたえを確信に変え、足りなかった部分から目を背けず補い、できた部分に磨きをかけチーム力を上げてきました。間違いなく成長し強くなりました。だからこそこの敗戦のショックは計り知れません。これほどサッカーが残酷なものかと感じたことはありません。あと一歩先へ選手たちを導けなかった責任を本当に感じます。選手たちの泣き崩れる姿をもう見たくはありません。
彼らのサッカーに対する真剣なまなざし、勝利を掴んだ時の最高の笑顔をみるのが本当に幸せです。だからこの敗戦を絶対に忘れてはいけないと感じました。
記憶に残る試合はできたと思います。これからは歴史に残る試合をしていけるようにさらなる高みを目指したいと思います。

びわこ成蹊スポーツ大学の皆さま、応援に駆けつけてくださった関係者の皆さま、本当にありがとうございました。

コーチ 西野誠