皆さんこんにちは。
2部リーグ以下のチームが全国大会へ挑戦できる唯一の大会、関西選手権。昨年、一昨年はともに3回戦で1部の大学に破れ、3回戦の壁の大きさを痛感する大会でしたが、今年は初めて3回戦を突破し、4回戦まで駒を進めることができました。連戦となった立命館大学戦はまさに激闘で、死力を尽くして立ち向かいましたが、延長で大きな違いをつけられて敗戦しました。

まずは3回戦の大阪経済大学戦。
前期リーグの経験から、色々な情報を手にする中で事前に選手にどこまで伝えるべきか・・・を、慎重に考えました。結果、必要最低限にとどめ、後は試合が始まってから修正していくプランにしました。赤穂とは少し違った非常に蒸し暑いじめじめした天候の中、立ち上がりの活気のなさに少し不安を覚えました。しかし、相手より運動量が多く高い位置でボールを奪うことができ、主導権を握り続けて2-0で前半を終えました。次の得点がどちらに入るかで展開は大きく変わるサッカーの難しさを強調して後半に臨みましたが、相手が1部とは思えないほど安定した高いパフォーマンスを発揮し、期待以上のスコアを叩き出して快勝しました。粘り強い守備、PKストップ、早いリスタートからの得点、交代選手の活躍、理想的なカウンターからの得点など、あらゆる面の集中力とハードワークが相手を圧倒する要因になったと思います。それぞれの良さを出し、チームとして機能した結果が5-0という数字に表れています。

関福サッカー部が初めて3回戦を突破した喜びよりも、次も勝ちにいけるという自信が少しついた試合でした。それは、守って守ってなんとか勝てたのではなく、実力で上回ったポジティブな感情によるものでした。

連戦で迎えた立命館大学戦。
公式戦で本気で戦える強豪大学との一戦は、幸いにも小雨が降る涼しいコンディションだったので、いい流れは続いていると感じました。とにかく立ち上がりの15分でつまずかずに相手を感じ、相手に慣れ、スピードについていくように求めました。そして、1部リーグで安定した結果を出し続ける相手にどこまで通用するのか、自分たちの『現在地』を知る重要な戦いであることを伝えました。
予想していた通り立ち上がりはボールを動かされ、2トップの素晴らしい連携から何度もゴール前まで侵入されます。相手のシュートミスに助けられる場面もありましたが、ちょうど15分を経過する頃に先制を許しました。しかしそこから崩れることはなく、逆にサイドを起点として支配できる時間が増えていきました。何度か決定機をつくりますが、ラストパスやフィニッシュに精彩を欠き、簡単には追いつくことができません。ハーフタイムには、相手が嫌がっている(サイドで時間ができる)ことを続ける、競り合いで完全に跳ね返される相手には放り込まないなど、自分たちの攻撃的な部分をどこで発揮するかをはっきりさせました。選手は落ち着いた表情で話を聞き、追いつける可能性が十分にある0-1という点差と前半の手ごたえに闘志を掻き立てていました。後半は勢いに乗った攻撃を繰り返し、互角以上の戦いで得点を奪いにかかりました。相手にもチャンスを与えましたが、決定機はこちらが多かったように感じます。何度も得ていたCKから得点が生まれます。ただ単にゴール前にボールを入れるのではなく変化を加え、ニアに送った速いボールをすらして後ろから入ってきた棚町が押し込んで待望の同点ゴール。追いついたことに喜ぶよりも、逆転する強い意志がピッチから感じられました。まさに試合を通してどんどん成長していく瞬間でした。
結局90分では決着がつかず、なんとなく手にできそうだった勝利は延長戦で手のひらからするするとこぼれ落ち、あっけなく1-4で敗戦してしまいました。

決して舐めていたわけでも油断していたわけでもなく、ただ相手が上回っていたという証拠だと思います。しっかり決めきってくる決定力の前に屈し、「勝てるかも・・・」と意気揚々と泳がされていたようで非常に悔しい気持ちになりました。ただ、今回の収穫は大きいです。昨年まで相手の良さを消す作業だけで敗戦していましたが、今年は1部を撃破し、連戦で延長まで持ち込むことができました。立命館大学を相手に出せた自分たちのアグレッシブなプレーと90分までの粘り強さは評価できると思います。

ここからです。
掴んだ手ごたえを確信に変える、足りなかった部分から目を背けずに補う、できた部分に磨きをかける、そして1-4という結果を受け止めてリベンジするためにチームがもっと力をつける・・・この敗戦から得たものをどのように次につなげていくかが何よりも大切です。
この2連戦で、改めて1部で戦いたいと思う気持ちが増しました。

見つめる先は後期リーグ、1部の舞台。
忘れてはいけないのが、Iリーグや新人戦を通してのチーム全体の底上げ。継続して結果を残すチームは、トップチームだけではなくすべてのチームが強く、常に激しい競争があります。ぎらぎらとしたハングリーな選手がもっと増えることを期待し、取り組んでいる日常が評価されるトレーニングになるように指導していきたいと思います。

 監督 中田 洋平