11月22日(日)の最終節をもってマネージャーを引退しました。

私は元々サッカーが好きで同郷の先輩が所属していたこともあり、関西福祉大学サッカー部へ入部しました。私の学年は選手13名、マネージャー1名と他の学年に比べると人数が少なく、各カテゴリー内のほとんどが先輩で最初はとても不安でした。ですが公私ともに仲良くしてくれた同期がいたことや、みんな人柄が良く優しかったことで女性だから馴染みにくいということもなく、すぐに打ち解けマネージャーの仕事にも慣れることができました。これは当時も今も感じる関西福祉大学サッカー部の良いところだと思っています。

そしてこの4年間でありがたいことに1部リーグ、2部Aリーグを経験させて頂き、マネージャー業を通して時間管理能力、先を見据えて臨機応変に行動する対応力、周りを見て行動することの大切さ、リスク管理などたくさんのことを学び、身につけることができました。その中でも少人数かつ限られた時間の中で後輩に対し、いかに効率よく良い指導ができるかということはこの1.2年の間、特に悩みました。スタッフの方々からの助言をいただきながら、一方的ではなく正確に自分の思いを伝えることと相手の話をよく聴くことの双方を意識するとスムーズに対応できているように感じました。まだまだ指導に対しては課題が多いですが、マネージャー業を通して学んだことは社会人としてのスキルにもなり得ることであるので思う存分活かしていきたいと思います。

生活面では勉強や実習との両立に苦労しました。私は看護学部だったため授業や実習で部活に行けない時が多く、他のマネージャーには沢山迷惑をかけたと思います。ですがそんな時でも私の体調を気にしてくださりながら、息抜きにご飯でも行こうねと声をかけてくれる先輩、実習の合間に部活へ顔を出すと実習頑張ってください!とお菓子を差し入れしてくれる後輩、部活には行けていなかったけど市内で会うと頑張ってね!と声をかけてくれる選手たち、みんなの存在が私の中ではとても大きく、みんなの頑張れの後押しで学業を乗り越えることができたと思います。そして今はマネージャーを引退し国家試験の勉強に励んでいますが、放課後グラウンド横にある看護棟で勉強をしているとトレーニングをしている選手・スタッフの声が聞こえてきます。毎日必死にサッカーを頑張っている姿を観ていたからこそマネージャーを離れた今でも、みんなのおかげで日々頑張ることができています。みんな本当にありがとう。

1部リーグ昇格を果たした時の入れ替え戦や1部リーグ所属の相手に僅差で敗北したものの手応えを感じることができた関西選手権のびわこ大戦、立命館大戦などこの4年間みんなのプレーにわくわくしてばかりで、印象に残っている試合は沢山あります。その中でも私が印象に残っている試合は天皇杯予選の甲南大戦、新チーム初めての公式戦でチーム力が試される試合でした。結果は敗戦。1部リーグから降格した相手に対し、1部リーグに昇格した私たちは相手のプレーに圧倒されるばかりでマネージャー失格かもしれませんが初めて「力が及ばない」と感じてしまい、本当に悔しかったのを覚えています。1部リーグはどんなに厳しく、険しいものなのかを思い知らされました。試合終了後、悔しそうな選手の姿を見て、初めての1部リーグで不安なことも多いけど精一杯選手をサポートしていこうと心に決めました。大学生になってから選手たちと一緒に沢山悔しい思いをしたからこそ、もっとこうすれば良いサポートができるのではないかと分析を重ね成長し得たものは多く、とても貴重な時間だったのだと今振り返ってみると思います。これからも選手やスタッフのように挑戦することを忘れず、失敗しても悔しい思いをしながら成長していきたいと思います。

4年間マネージャーを続けることができましたが正直マネージャー業は裏方の仕事が多く、部活動において雑用と思われがちです。ですが私は自分の好きなスポーツであるサッカーをしている人たちのサポートをできることに誇りを持っていました。そして仕事にも慣れてきた頃、スタッフが選手に対し『今自分がしていることの意味を考えろ!』と助言されていました。その時選手に対して放った言葉ではあったのですが、なぜかはっとしました。自分も目の前の仕事に対し何の意味があるのか考えず、作業として捉えてしまっているのではないかと考えさせられました。それ以降、マネージャーとして行なっている仕事の意味を考えながら行動するようになりました。私の将来の夢は小児看護師であるため、マネージャー業が直接関わってくることはありません。ですが同じポジションのあの人には負けない、次の試合に勝ちたい、1部リーグに昇格したい、プロサッカー選手になりたいなど、サッカーに対して毎日真剣に向き合っている姿を見ている中で、選手1人1人には小さなことでも目標や夢があると感じ、その目標や夢をサポートできるマネージャーという役職にさらに誇りを持つようになりました。そしてその目標や夢が達成されていくことが自分のことのように嬉しかったです。誰かの目標や夢の達成に少しでも貢献出来たこと、その瞬間に立ち会えたこと、全部私のやりがいに繋がっていて、これからも大切にしていきたい思い出でもあります。

お世辞にもいつも優しくにこやかなマネージャーと言えなかった私に対し「いつもありがとう」と労いの言葉をかけてくれる部員が多かったのですが、私の方こそみんなの目標や夢をサポートさせてくれて、1部リーグという最高の舞台で一緒に戦わせてくれて、毎日真剣にサッカーに向き合う姿から刺激をくれて「ありがとう」と思う日々でした。

軽めのトレーニングの時のサッカーテニスで笑い合う選手の姿も同期たちとくだらないことを話しながら過ごすトレーニング終わりも弟みたいに可愛い可愛い後輩たちにご飯連れてけ〜!となめられる日々も朝練のリフティングの時にズルしてスタッフにバレている選手を見つけて1人にやにやすることもスタッフ同士やマネージャーに対する終わりのないだる絡みもマネージャー同士でいじり倒し合うことも、もうないのだと思うととても寂しいなと思います。

私は関西福祉大学サッカー部のマネージャーとして4年間過ごすことができて本当に幸せでした。そして部員、スタッフ、マネージャーをはじめ様々な方と出会い、行動や考え方から刺激をもらいながら充実した日々を送ることができました。ですが今年は新型コロナウイルス感染症の影響によりサッカーだけでなく、生活様式においても様々な制限がされるようになり、ストレスを感じる1年だったと思います。マネージャーという裏方の仕事をしていたからこそ、今まで当たり前と感じてしまっていたことは決してそうではないことを改めて感じました。そして大変な中でもサッカー部再始動のためにスタッフをはじめ、たくさんの方々が協力してくださった結果、実現できたことを本当に感謝しています。

関西福祉大学サッカー部の選手、スタッフ、マネージャー、保護者の方々、すべての関係者の皆様、この4年間、本当にありがとうございました。皆さまからの暖かい声援やSNSから応援してくださる姿は選手だけでなくマネージャーの頑張る原動力にもなっていました。これからも後輩たちが関西福祉大学サッカー部を支える組織として頑張ってくれると思うので、温かく見守っていただけたら幸いです。

そして今後とも関西福祉大学サッカー部をよろしくお願い致します。

4回生 山本瑞姫