10月7日(日)に行われた公式戦の結果は以下の通りです。

vs.関西国際大学(12:00キックオフ) 会場:関西国際大学

2-2(前半:0-1、後半:2-1)

【得点】仙頭2

後期第4節。台風の影響で第3節が延期となりフィジカル面、メンタル面でも少しリフレッシュした状態で今節を迎えました。前半開始早々のペナルティエリア内のファールでPKをとられ0-1とビハインドの展開を強いられました。後半に入ると一転。早い時間帯での同点弾から完全にこちらのペースとなり2-1と逆転に成功します。このまま勝ち点3を獲得かと思われた後半アディショナルタイム。セットプレーを仕留めれら2-2の引き分けで勝ち点1の積み上げに留まりました。

関西国際大学は我々が普段トレーニングしているピッチよりも縦約12m、横約4mほど狭いという特徴があります。スピーディな試合展開になることが予想され監督からは『ボールを失った後、奪った後の切り替えスピードを上げ相手の自由を完全に奪いこちらのペースに持ち込むこと、特徴のあるピッチの中でも常に広い展開を忘れないこと』の2点が伝えられました。またチームのために何ができるのか。スタートで出る選手、サブの選手の役割をしっかり整理してチームの結束力を高め試合に臨みました。

前半開始から相手は中盤を省略し我々のDFラインの背後へボールを供給する非常にシンプルな攻撃を仕掛けてきました。セカンドボール争いや1対1の局面でお互いがぶつかり合い激しさと厳しさを感じる試合展開でした。開始6分に試合は動きます。相手のコーナーキックをヘディングで合わせられますが、ゴールライン上でクリア。そのボールが高く上がり落下地点に入る相手と競り合った際にファールをとられペナルティキックをとられます。これを決められ0-1と追う展開となります。早い時間帯での失点でしたが、その後は浮足立つことや全体が崩れることもなく非常に高い集中力の保たれた試合運びができていました。狭いピッチで自然とコンパクトな状態が作られ相手のプレスに少し苦しめられる場面もありましたが、ショートパスを巧みに使いながら少ないタッチで相手陣内に進入しました。ドリブルでの変化も加えながらフィニッシュまで持ち込みましたがゴールキーパーの好守にも阻まれなかなか得点へと結びつきません。相手はファールで止める場面が増えゴール前でのセットプレーのチャンスも多く得られました。セットプレーでも幾度となく決定的なシーンを作りますが、アイディアの共有ができていなかったりゴールを奪うという全体の気持ちが先走りすぎたのかあと少しのところでズレが生じネットを揺らすことができませんでした。前半は0-1で折り返します。

ベンチではネガティブな雰囲気は全くありませんでした。感情をしっかりとコントロールし建設的な意見が飛び交い、後半の巻き返しと逆転に大きな期待が持てました。
監督からは『リスタートを早く始める準備をすること、中盤ゾーンでのボールの動かし方、サイドを起点に広い展開と斜めパスの供給、奪ったボールを的確に味方へつなぐこと』以上4点が強く伝えられました。
サッカーは90分で勝敗が決まるので慌てず落ち着いて後半に入ろうと選手たちに働きかけました。

後半開始からサイドを起点に攻撃を組み立てました。奪ったボールをしっかりと味方につなぎ背後の狙いを忘れずサイドから相手陣内にアグレッシブに進入していきました。
早速試合は動きます。後半5分に左サイドをコンビネーションで崩しクロス。ボールが相手のハンドを誘いペナルティキックを獲得。仙頭がキーパーの逆を完全に突いた技ありのPKを決めすぐさま同点に追いつきます。その後もサイドを起点とした攻撃が繰り広げられます。特にサイドにボールが入った時のかかわる人数が増えたこと、幅をうまく使い攻撃の時間と厚みができたことによりサイドバックが高い位置まで進入する回数も圧倒的に増えました。そこからの流動的な動きと関係性がさらにスピーディーな攻撃へとつながりました。注意すべき点は攻撃の終わらせ方が中途半端になりカウンターを受けること、あとはセットプレーでした。しかしサイドを起点とすることでボールを失うエリアも必然と決まってきて失った後の対応もはっきりとし守備の安定にもつながりました。すると後半30分に逆転ゴールが生まれます。相手の反則からフリーキックを獲得。一度は相手にクリアされるもののセカンドボールを拾い左から西尾がシュート性の低いクロスを供給。仙頭が合わせますが相手ゴールキーパーがはじき詰めていた棚町にこぼれます。決まったと思いましたがまたもやキーパーのビックセーブに阻まれ一瞬天を仰ぎます。しかしそのこぼれ球がまた仙頭のもとへ。きっちりと押し込み逆転に成功。2-1とします。
貴重な追加点からさらに試合を優位に運びます。その後もこちらがボールを支配しセットプレーやサイド攻撃でチャンスを作りますが、なかなかネットを揺らすことはできませんでした。後半も残りわずかとなりアディショナルタイムに突入。相手のカウンターを受けますが宮谷の読みの鋭いシュートブロックによりピンチをしのぎます。その後左サイドの深い位置でファールとられ相手にフリーキックを与えます。おそらくラストワンプレー。交代選手の投入でマークの確認もしっかりと行っていましたが、一瞬の判断とポジションミスにより相手に合わせられ失点。2-2となり試合終了。あと少しで獲得できた勝ち点3が勝ち点1へと変わりました。選手たちの悔しさとショックを隠し切れない雰囲気を感じました。

勝ち点3を獲得できなかったことは残念です。しかし90分を通して彼らは本当によく戦ってくれたと思います。崩れることなく冷静に戦況を読み今自分たちのできる的確な判断のもとピッチでプレーすることができていたと思います。もちろんあのまま勝ちきる勝負強いチームになる必要はあるでしょう。でもこれもサッカー。勝つ時もあれば負ける時もあり、引き分ける時もある。彼らがもしこの試合を軽く扱い適当な戦いぶりをみせていたのであれば問題です。しかしそんなことは全くありませんでした。ウォーミングアップから集中しそれぞれが役割をはたしてチームのために必死でプレーしていたと思います。全く悲観することのない結果だと私は思います。1部に昇格する道はまだまだ長いです。この試合での経験は必ず今後1部へ昇格するまでの道のりの中で活きてくると私は思います。彼らには自信をもって次の1週間も試合の準備をしてもらいたいです!

『高ければ高い壁の方が登った時気持ちいいもんな』

気が付くと帰りのバスの中でこの歌詞が私の頭の中に流れていました。あと残り8節。まだまだ面白くなる予感が止まりません!!関西福祉大学サッカー部の試合をぜひ観に来てください。これからも熱くそして心揺さぶられる感動的な試合を展開していきますよ!!

関西国際大学の皆さま、応援に駆け付けてくださった関係者の皆さま、ありがとうございました。

コーチ 西野誠