本日行われた公式戦の結果は以下の通りです。

vs.龍谷大学(15:15キックオフ) 会場:神戸学院大学

3-2(前半:1-0、後半:2-2)
 
【得点】比嘉、棚町、荒田

2連敗中に迎えた龍谷大学戦。今季初先発の比嘉選手が立ち上がり5分に勢いをつける強烈なボレーシュートで先制する活躍を見せ、一度は逆転を許すも開幕戦を思い出させる劇的な逆転勝利で勝点3を積み上げました。

試合前のミーティングでは、ボールを持って考えたり持ちながら次のプレーを選択する時間を減らし、プレースピードを上げていくことを求めました。また、連敗中の悪い流れを断ち切るためにチーム全体が結束して強い気持ちで90分間戦わなければならないことや、現状を打破するためには大きなエネルギーが必要であることなどを伝えました。

立ち上がりから比嘉選手が期待に応える得点でいい流れをつくり、優位に試合を進めることができました。しかし、相手も中盤の流動的な動き出しから自陣へ押し込み、攻撃の怖さを見せてきました。ゴール前ではしっかりシュートコースを消した守備ができていましたが、押し込まれたときの守備が受け身になりすぎていた点が気になりました。相手ペースの時間帯にはしっかりゴールを守り、攻撃では1対1の決定的なシーンをつくるも決めきれず、1-0のまま前半が終了します。


ハーフタイムに、守備のファーストDFがもっと迫力あるアプローチをかけて後ろが限定しやすい状況をつくるよう改善点をあげました。また、攻撃ではサイドから相手陣内に進入できる回数が多かったので、サイドで起点をつくって早くパスコースを増やすように伝えました。

後半開始早々に相手が2枚目のイエローカードをもらって退場者を出し、完全にこちらに流れがくるかという展開でした。しかしこれがサッカーの難しいところで、10人になった相手が逆に勢いをつけ、数的有利な状況にも関わらずボールを保持することができません。そして、失点するならこのパターンしかないな・・・と危惧していたコーナーキックとセットプレーから簡単に逆転を許し、2連敗中のチームには非常にダメージの大きい劣勢へと変化しました。その後はイライラを隠せないプレーや消極的なプレーが増え、まさに試合前に伝えたチームの結束が試される展開となります。サイドにかなりスペースがあることを気づかせるため、ポジティブな空気を取り戻すためにベンチから声をかけ続け、ピッチに立っている選手は少しずつ冷静な状況判断ができるようになりました。ゴール前までボールを運ぶも得点が遠い時間が続きますが、ボールを失ってもアグレッシブに奪い返しにいく姿勢が増えて自分たちで何とかしようとする必死さが相手を上回り始めました。残り10分になるところで棚町選手がセットプレーから起死回生の同点ゴールを叩き込み、チームは完全に息を吹き返します。相手も必死にゴールを守り、さらにはリスクを負って攻撃に転じてきました。このまま試合が終了するかという雰囲気が漂う中で迎えた後半45分+2分のセットプレー。同点ゴールをアシストした荒田選手が絶妙なボールを放り込み、そのボールが誰にも触れられることなくゴールマウスへと吸い込まれて逆転に成功します。
劇的な逆転で3-2と相手を突き放し、残り時間もうまく使って試合が終了しました。

今日のように相手が10人になってからリードを許す展開は避けなければいけません。特に、コーナーキックや自陣PA付近でのセットプレーは人数の影響がほとんどないので減らしていく必要があります。また、それまでに試合を決定づける追加点・ダメ押し点があればもっとうまく試合を進めることができたはずです。セットプレーから2失点しセットプレーで2点取り返した後半は、これから戦っていくうえでの良い経験になったのではないでしょうか。結果的には劣勢から同点に追いつき、最後に逆転して勝利を収めることができたことはとても価値があります。連敗の流れを断ち切り、浮上のきっかけとなる試合になったように感じます。

「現状打破」・・・breakthrough(ブレイクスルー)
内容は決して悪くないが負けてしまう流れになると、少なからず疑問を抱いたり不安になったりします。自分たちがやってきたことに自信をもつには勝利という結果が重要ですが、結果が出ない苦しい状況においても譲れないこだわりとポジティブな振舞いは変えてはいけないものだと思います。
ある指導者から言われた「戻れる場所があるチームというのは強いよ」という印象深い言葉があります。チームを作り上げていく中で積み上げてきた確固たる信念やブレない芯があるなら、それは悩んだ時や迷った時に戻れる場所(原点)となり、心の拠り所となります。チームの完成度を高めるには、繰り返しの挫折を味わっても逃げずに受け止め、全員で現状を変えるために全力で戦っていくことが必要なのではないかと感じました。

前期リーグも残り3節となりました。
課題と向き合って連勝を目指したいと思います。
龍谷大学の皆さま、応援に駆けつけてくださった関係者の皆さま、本日はありがとうございました。