本日行われた公式戦の結果は以下の通りです。

vs.大阪教育大学(15:15キックオフ) 会場:関西国際大学

4-3(前半:1-3、後半:3-0)

【得点】左近、宮谷、棚町2

1部昇格を目指して開幕した2度目の2部Aリーグ。10チームから12チームに増え、目標を達成するには継続的なパフォーマンスの発揮と選手層の厚さが以前にも増して求められるカテゴリーになりました。そんな中で昨年と同じ開幕戦のカードとなり、内容は昨年を上回る4-3という劇的な逆転勝利で大阪教育大学を退けました!サッカー部創設以来、4年連続での開幕戦勝利をつかみ、チームが加速する良いスタートを切ることができました。

開幕を迎えるまで、昨年に残した失点の多さと向き合い、守備のトレーニングを重点的に行なってきました。失点を重ねて不安定な試合展開を続けていたことで、チームの良さである攻撃力の高さを活かしきれない戦いが多く、前線からの守備の連動や中央を閉じてボールを意図的に外へ運ばせるチーム戦術の共有を図りました。今日は結果的に3失点と堅実な守備を発揮することはできませんでしたが、1-3から追いつき、さらには逆転して勝ちきる勝負強さと諦めずに攻撃し続けるメンタリティの強さが光った試合でした。

正規の大きさよりも縦・横ともに狭い関西国際大学のグラウンドは、自然とプレッシャーのかかりやすいスピーディな展開になると予想されたため、試合前には「奪ったボールの処理」について判断の質を高めるように求めました。また、うまくいかない時間帯や流れが悪い時間帯こそぶれない崩れないメンタリティが必要だと伝えました。

立ち上がりは最終ラインの深さが少し気になりましたが、前線の比嘉と西尾が相手陣内でボールをキープして時間をつくり、攻撃の糸口を探すいい流れで進めていたと思います。しかし、サイドで起点をつくりながらもフィニッシュまで持ち込むことができず、一進一退の攻防が続きます。すると前半22分、自陣で奪ったボールを素早く逆サイドへ展開し、棚町が中へ入れたボールのこぼれ球を左近が見事なミドルシュートでゴールネット揺らし、開幕ゴールを奪います。これで勢いづいたかに思われましたが、33分に同点を許すと、35分、39分と崩れるように連続失点し、意気消沈したように前半を終えます。

ハーフタイムでは、失点するまでの流れは決して悪くなかったこと、守備の意識は高いが後ろを気にしすぎて保持者を自由にしてしまっていること、チャレンジしやすい状況を早くつくることなどを指摘しました。攻撃面では相手が嫌がっている部分を突き、サイドで起点ができた時の周りの動きに修正をかけました。選手たちは切り替えて45分戦おうとショックを引きずりながらもポジティブな言葉をしぼり出していたのが救いでした。

後半は前半を上回る切り替えスピードで相手陣内へ進入し、いくしかない覚悟をプレーで表現してくれました。諦めない選手がピッチ上に多くいればいるほど、サッカーは奇跡が起きます。11分に荒田のセットプレーから宮谷が頭で押し込み、3-2としただけで急に試合の風向きが変わりました。相手の足が止まり、追いつきそうな空気が一気に漂い始めます。すると25分にまたもや荒田のセットプレーから棚町がゴールを決め、振り出しに戻します。昨年と同じような展開でしたが、2点差をいとも簡単に追いついた流れは昨年以上のものでした。逆転を狙いに前がかりになる分だけ後ろが少し不安定にはなりましたが、展開が早くても落ちない運動量とタフな戦いで相手を押しのけ、何度も突いた相手の裏のスペースから西尾がボールを収めてチャンスを演出します。その二次攻撃で逆転劇が生まれます。41分、ルーズボールを拾った宮谷がワンタッチで仙頭へスルーパスを通し、2人を交わしてマイナスのクロスをあげます。ボールに引き寄せられた相手はマークにつくことができず、ゴール前でフリーで待っていた棚町が本日2点目となる逆転ゴールを叩き込みました。残り時間は勝ちに徹するプレーを選択し、集中した守備で4-3で試合を終わらせました。

サッカーは不確実なスポーツ…ということを肌で感じた、痛感した試合でした。正直なところ、1-3を本当にひっくり返すとは思えませんでした。追いつくことができればチャンスはあると考えていましたが、早い時間に2点目を奪えたことと献身的なハードワークで味方の力を引き出すポジティブな空気が数パーセントの勝利を呼び込みました。この勝点3が、リーグを終えた時に大きな価値を生み出すことになると信じています。

守備の安定という部分では、3失点を振り返って修正する必要があります。しかし、それを上回る「4得点」と「1勝」の重みを素直に喜びたいと思います。
プレシーズンの積み重ねと準備が表れる開幕戦。この試合だけですべてが決まるわけではありませんが、新チームの手応えを確かにつかみ、結果によって選手自身が力をつけていってくれたら嬉しいです。
ようやく始まった長いリーグ戦。浮き沈みは必ずあります。今日の試合のように、沈んだところからすぐさま這い上がって取り戻す底力があれば、チームはもっと上を目指せると思います。次節へ向けて収穫と課題をしっかり見極め、小さな積み重ねを継続して小さなこだわりを徹底して求めていきます。

大阪教育大学の皆さま、応援に駆けつけてくださった関係者の皆さま、本日はありがとうございました。