本日行われた公式戦の結果は以下の通りです。

vs.大阪商業大学(15:15キックオフ) 会場:関西国際大学

3-1(前半:1-0、後半:2-1)

【得点】徳永、比嘉、西尾、

久しぶりの勝利をあげた前節から1週間。前期では0-2と完敗した大阪商業大学を相手に前半からリードした展開で主導権を握り、後半は全員がハードワークを遂行して相手のパワフルな攻撃をしっかり抑えることができました。一度は追いつかれるも、前節のような粘り強く90分戦い抜く姿勢を見せて得点を奪い、3-1で勝利を収めました。

試合前のミーティングでは、通常より狭い関西国際大学グラウンドの特徴を頭に入れ、セカンドボールやルーズボールをどれだけ拾えるかがカギになると伝えました。そのために全体を常にコンパクトにすること、ボール保持者にしっかりプレスをかけること、コーチングを切らさずにチーム全体でどういうプレーが必要かを共有することなどを要求しました。また、プレーのベースとなる「闘志」が最後は結果につながること、目の前の相手に絶対負けない強い気持ちが必要であると伝えました。

立ち上がりは相手の速い攻撃とパワーに押し込まれましたが、最後の局面でシュートブロックに入ったりGKの佐藤(由)がセービングをしたりと非常に集中した守備を構築していました。こちらもセカンドボールを拾って保持したいところでしたが、なかなか攻撃の起点をつくることができずに慌しい展開が続きます。そして18分に待望の先制点が生まれました。棚町のロングスローから比嘉がゴール前でボールキープをして相手のファウルを誘いPKを獲得します。これを徳永がきっちりと決め、精神的に大きな先制点をあげることができました。その後は相手の圧力がさらに増し、左サイドを起点にしてテンポよくボールを動かしゴール前まで迫ってきました。サイドに人数をかけてきた相手に対し、カバーやスライドするタイミングが遅れてなかなかボールを奪えずに苦しい時間が続きましたが、全員で高い集中力を保って得点を与えず、1-0で折り返します。

ハーフタイムは相手の攻撃に対するサイドの守備に修正をかけ、奪った後は前がかりになって脆くなっている相手陣内に素早く侵入して起点をつくるように伝えました。押し込まれながらも無失点で前半を終えたことで少し落ち着きを取り戻し、冷静に相手の消したいポイントと攻撃の狙い目を話し合いました。

後半も相手は変わらずにパワーとスピードで仕掛けてきましたが、球際でボールを奪いきったり状態が悪い相手には躊躇なく寄せて前に蹴らせない連動などが光りました。しかし、セカンドボールの争いから自陣中央でFKを与え、これを直接決められて後半5分に同点とされてしまいます。試合を再開する審判のホイッスルが鳴ったにも関わらず壁の確認をしてしまった一瞬の隙を突かれ、プラン通りにはいかないサッカーの怖さを体感しました。しかし、前半とは違って相手の攻撃に落ち着いて対応できる場面が増え、奪ったボールを前線で収めて全体が押し上げる時間が多くなってきました。すると、今度はこちらがFKをクイックで始め、素早い切り替えで相手の裏を狙っていた棚町がクロスをあげます。慌てて対応する相手DFはボールの処理が乱れ、そのこぼれ球を比嘉が気持ちのこもった一振りでゴールに突き刺します。再びリードする比嘉の後期リーグ初得点がチームに活力を与えました。同点から早くに突き放せた追加点が相手のダメージとなり、何度かヒヤリとする場面はありましたが自分たちのミスから流れを悪くしてしまうことはなく、一つ一つのプレーに勝利に対する執着心が感じられました。少し押され気味な感じも受けましたがクロスやセカンドボールの対応も良く、逆に相手陣内の広大なスペースを比嘉と西尾がうまく利用してゲームをコントロールしていきました。25分には荒田が放ったシュートのこぼれ球を西尾が押し込み2点差までリードを広げると、全員がしっかり守備から連動して相手にチャンスを与えませんでした。相手の戦い方にうまく対応し、3-1で見事に勝利を収めました。

今日の勝ちを引き寄せた要因の一つとして、守備に安定感があったことが挙げられます。ディフェンダーだけの評価ではなく、90分間全員がこまめなポジション修正を意識し、危険なスペースと人を埋めることに努めていたと思います。奪ったボールの処理においても相手の前向きな守備から後ろ向きへと変えることができ、プレーを選択する質が上がった印象を受けました。ボール保持者がどのようなプレーを選択してどのようにボールがつながったのか、といった所に目を向けることが多いですが、私は失い方にも質があると考えています。エリアや時間帯、流れによって、自分の本意とは違ってもチャレンジを諦める割り切りや相手が嫌がる心理的ストレスをかけられるようなプレーは、状況判断の賜物です。捉え方は人それぞれですが、かつてのJリーグ監督が言っていた「ミスすら質が高い。ミスすら美しい」という言葉がまさに失い方の質だと思います。

前日の結果から、今日勝てば上位(4位)との勝点差は2になることが分かっていたため、3-1の勝利により最終節まで入れ替え戦の可能性を残すことができました。最終節も勝って、なおかつ4位が負けるという条件にはなりますが、後期リーグ終盤の2連勝は状況を好転させるに十分な粘りです。一縷の望みをかけて最終節に挑みたいと思います。ポジティブな思考が流れを呼び、ポジティブな行動が流れを変えると信じて。

大阪商業大学の皆さま、応援に駆けつけてくださった関係者の皆さま、本日はありがとうございました。