本日行われた公式戦の結果は以下の通りです。

vs.関西大学(15:00キックオフ) 会場:大阪学院大学

3-3(前半1-2、後半2-1)
【得点】仙頭2、原田

PK(4ー5)
関福大 ○ ○ × ○ ○
関西大 ○ ○ ○ ○ ○

前期リーグの1試合が未消化のまま迎えた新人戦。1部リーグの関西大学を相手にどれだけ自分たちのサッカーが通用するかを確かめる重要な公式戦で、今年一番の高いパフォーマンスを発揮してくれました。
特筆すべきは、試合に入る前のウォーミングアップでした。軽口を叩く選手は誰一人おらず、非常に研ぎ澄まされた中で身体を動かしていました。重要な試合の前に必要なのは緊張ではなく均衡です。ほどよい緊張感を味わいながらサッカーを楽しむバランスのとれた均衡。今日はまさにその状態でした。

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試合前に選手に伝えたのは3つのC。
「コンパクト(compact)、コーチング(coaching)、コンセントレーション(concentration)」
今日の試合をものにするために必要な要素を、簡潔に伝える言葉を昨晩から色々と考えていました。昨日読んだ本の中に「集中力の欠如が試合を左右する」と書かれていました。その言葉に共感し、3つ目のCが埋まりました。
実はウォーミングアップだけでなく、今週のトレーニングは今までにないほど質の高い取り組みでした。選手みんなが口にするぐらいです。そして、前期リーグの反省からチーム自体がまさに変わろうと動き出している最中で、彼らの皮が一つ剥けようとしている瞬間を目にしてきました。今日は監督として選手の邪魔をしないように意識したので、ミーティングどうこうではなく素晴らしい試合を披露する準備は今週のトレーニングの段階でできていました。

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立ち上がりから相手に臆することなく積極的にプレーし、攻守の切り替えが早いスピーディな展開でした。5分に相手のバックパスに仙頭選手が勢いよくプレスをかけ、自らボールを奪ってPKを獲得します。これを当たり前のようにきっちり決め、主導権を握ります。その後は気持ちのこもったハードワークで味方のミスを全員でカバーし、奪ったボールも冷静につなぎ、互角の戦いを繰り広げます。徐々に相手の素早い判断と高い技術で押し込まれますが、GKの野崎選手が身体を張って1対1やミドルシュートを防ぎ、簡単にゴールを割らせません。しかし、前半残り5分でルーズボールの連携ミスから失点し、さらに前半終了間際にプレスがゆるくなった隙を見逃さず、右サイドから絶妙なクロスを上げられ技ありのヘディングシュートで逆転されてしまいます。

簡単に逆転を許したハーフタイムはさすがに少し落ち込んだ姿で戻ってきましたが、すぐにネガティブになるチームを変えるいい機会だと感じていました。「前半40分まではほぼ完璧な戦いをしていたから、後半も全員が同じテンションで戦えば必ず追いつける」…そう選手に伝えました。細かい戦術の修正もしましたが、相手以上に戦う気持ちを保たせる働きかけが必要でした。

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こちらの期待をよそに、後半6分にセットプレーから得点され1ー3とリードを広げられます。今までの関西福祉大学であればこのままで終わるか、あるいは引き離されて負けていたと思います。しかし、今日は集中を切らさずに選手全員で得点チャンスを呼び込み続けました。後半26分にコーナーキックから原田選手が豪快なヘディングシュートを決めて1点差に詰め寄ります。
「これはいける」直感で言葉が出ました。
得点によってチームは息を吹き返し、どこに残っているのか聞きたくなるぐらいのエネルギーと闘志が湧き出てきました。得点後はピンチもありましたが、完全にこちらがペースを掴み攻撃のリズムをつくっていきました。交代で入った泉選手が起点になり、佐藤(壮)選手が相手に脅威を与え、その佐藤選手の迫力あるプレーから本日2つ目のPKを獲得しました。誰もが信頼する仙頭選手が難なく2回目のPKを決め、土壇場で同点に追いつきました。後半44分のことです。
試合は3ー3のまま終了し、勝負はPK戦へ持ち込まれました。

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PK戦は4ー5で負けてしまいましたが、試合前に選手がもたらした均衡と、ピッチで見せた意地と闘志が1ー3の劣勢を跳ねのけて同点を呼び込み、見る者に少なからず感動を与えました。
負けという結果は受け止めなければいけませんが、団結したチームの力強さとそれぞれの少しの精神的な成長を直接肌で感じることができました。それだけになんとか勝たせてやりたかったのが本音です。

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2年生の新人戦はこれで終わりました。しかし新人戦が終わっただけで、大事なのは1部の大学の同学年とこれだけ戦えるという自信を持つことと、勝利を呼び寄せる1つ1つのプレーにこだわりを持つこと。そして今日のパフォーマンスを忘れず、悔しさをバネにしてより高いところへ跳んで欲しいと思います。
選手が躍動する姿をベンチから見守り、一番刺激を受けたのは私自身かもしれません。選手の良さを引き出す作業をもっとしていかなければなりませんし、今度は勝ってみんなで喜び合いたいです。今日の熱き戦いは必ず彼らを成長させてくれると信じています。

関西大学の皆さま、応援に駆けつけてくださった関係者の皆さま、本日はありがとうございました。