関西福祉大学サッカー部が始動して一年、監督としてチームを率いて一年が経ちました。
新たな環境での仕事が始まった一年前、ワクワクとは裏腹に不安やプレッシャーや孤独が待ち受けていました。

周りで支えてくださる方々は多く、人徳に恵まれている自分自身を改めて幸運だと感じる一方で、現場を一人で見ることの難しさを痛感しました。
スタッフが一人であるがゆえに悩みを打ち明けたり相談したりすることができず、その場その場で自分の中のベストの答えを探し続けるも、思い返せばそれは本当に正しい選択だったのかと疑問が残ることもありました。ただただ自分を信じて突き進んできたあっという間の一年でしたが、1コマを区切るととてもタフな時間を過ごしたように感じます。

新しいことを始める人や今までになかったものを生み出していく人は、自分が頑張るしかない。周りの理解や協力はもちろん必要ですが、道を切り拓くには自分を信じてチャレンジするしかない。頭の中を整理すると、そのような結論が出てきました。だから、チャレンジして失敗してもそれを次にどう活かすかがとても重要だと気づかされました。
人が大きくなろうとしている時、これまでの自分から変わろうとしている時、チャレンジしている時、それは苦しいかもしれません。今までに味わったことのないところへ向かおうとしているからだと思います。しかし、必死に乗り越えようとする姿に周りは引き寄せられ、反応してくれることを私は経験しました。求めずして手を差し伸べてくれる人が必ずいます。その優しさに触れた時や、周りの協力があって苦難を乗り越えた時には、「強さ」ではなくむしろ「優しさ」が備わるのではないでしょうか。

強くなるには優しさが必要です。

サッカーというチームスポーツにおいて、サッカーができる環境を提供してくれるスタッフとチームメイトと相手(・審判)をリスペクトすること。相手が強い、弱いに関わらず熱く戦うこと。そして、チャレンジすること。チームを率いてこの3つを何度も伝えてきました。これからも変わらないと思います。
新たに加わった熱いコーチとともに2年目のシーズンを笑顔で終えられるよう、明日からまたエネルギッシュにサッカーを楽しみます。

 

監督 中田 洋平